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2023年12月19日

レジン作品にコーティングは必要?不要?コーティング液は作品の質感を変える魔法!鉱石作家が徹底レビュー

「レジン」を始めようと思うとまず揃えるものはメインのレジン液。
そしてUV/LEDライトとシリコンモールドでしょう。
では、少し検索すればヒットする「レジンコーティング液」は?

「コーティング液って、必要なの?」レジンを始めたばかりの方は戸惑うかと思います。

そもそもレジンそのものが透明で艶があるため、
”仕上げ”のコーティング液はどちらかといえば「副資材」のニュアンスが強いのですが、
【美しいレジン作品に仕上げる】ためには必須アイテムだと思います。

なぜならコーティングで作品の質感が劇的に変化するからです。
ただし使いどころを誤ると、思った仕上がりにならないという事態にも陥る側面もあります。

そこで本記事では、croccha公認クリエイターでもあるレジンクリエイター Uneが、
「作家のためのレジン コーティング液」について他社商品と比べて特徴を徹底レビュー。

私自身の使い分け方も踏まえ、美しい作品仕上げとコーティングについてまとめました。
使用感など動画を含めて読者さんと共有できることを目指しました。
コーティング剤を使用する意外なメリットや、そもそもコーティング剤は必要かどうかなども、検証していきたいと思います。

ジャンル: レジン
ユーザのサムネイル画像 Une|レジンアクセサリー
2016年より昼寝猫として活動してきましたが、2022年よりリニューアル、Une(ウーネ)という名前になりました。うねさんと呼んでください😊❤️

レジンや天然石のアクセサリーがメインですが、今後はイラストやアパレルもやりたいです。

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目次

  1. 1.Uneのプロフィール
  2. 2作家のためのレジンコーティング液について
  3. 3.コーティング液の重要度
  4. 4.コーティング液を選ぶポイントについて
  5. 5.作家のためのレジンコーティング液とResinLabコーティング液の比較
  6. 6.注意点
  7. 7.まとめ

1.Uneのプロフィール

オーロラや透明なもの、夜空や鉱物といった幻想的なものが好きなクリエイター。
レジンアクセサリー制作をメインに活動しています。
オリジナルのシリコンモールドも作っています。

 

2作家のためのレジンコーティング液について

まず、今回取り上げる「作家のためのレジン コーティング液」について簡単にご紹介します。

「作家のためのレジン コーティング液」はとろーりタイプの仕上げコーティング剤です。

容量違いで2種類の商品が販売されています。

左が8gです。

右が25gの詰め替え可能な大容量タイプ。
黒いボトルに詰め替えて使用します。(購入時に黒いボトルは空っぽです。)

 

作家のためのレジンのコーティング液の特徴のひとつ、スクエアボトルにはマニキュアのような刷毛がついています。
これが本当に使いやすい。
なぜ刷毛タイプが使いやすいかと言いますと、ボトルの口の所で刷毛をしごけるから。
刷毛をしごくことで、薄く塗りたい時と多めに塗りたい時の調整がその時に応じて可能だからです。

刷毛タイプではないもの、例えば通常のレジン液ボトルのタイプの場合は塗るツールは自分で用意する必要があります。
絵の具筆やシリコンスティックなどを利用することが多いと思います。
ただ、絵の具筆だと刷毛に弾力がなく塗りづらい場合があります。
かといってシリコンスティックタイプは厚塗りになりやすく、いい塩梅という物がなかなか見つけにくい中、
付属の刷毛が絶妙に使いやすいのです。

ちなみに刷毛は、ネイルのマニキュアボトルの刷毛よりも、多少ハリがある感覚です。
ぐっと強めに刷毛をあてると扇状に拡がるので、広範囲を一気に塗れます。

余談ですが、作家のためのレジンコーティング液の本体ボトルがスクエアというところも、ポイントが高いです。
作業スペースに収納がしやすいのです。
個人的にはすごく気に入っています。
そしてラベルがオシャレ。使うたびにテンションが上がります。

3.コーティング液の重要度

コーティング液は美しいレジン作品に仕上げるためには必須アイテムだと思います。

レジンでは「つや」が大切です。
つるつる、という意味の「つや」もありますが、マットな「つや」も存在していて、どちらが良いとかではなく、そのメリハリが大事なのだと思います。

作品の半分をつやつやにして、半分をマットにして、という作品でもそのメリハリがきちんとついているとアートっぽい印象になりますが、ぼんやりしていると塗り忘れかな?となります。

コーティング液が主役になる事はあまり無いかと思いますが、主役を輝かせるのは確実にコーティング液です。

またほんの1mmでも、コーティング液を塗る事で奥行きが生まれると、色味が鮮やかに見えたりします。
表面がフラットでのっぺりしているより、少しふっくらの方が光を反射してうるうる見えます。
 

コーティング液を使用することで作品の雰囲気がぐっと変わったり、
通常のレジン液では手の届かないような所をサポートしてくれるためです。
制作途中に起こる、「帯に短し襷に長し」を解決してくれる隠れ便利アイテムといえます。

 

4.コーティング液を選ぶポイントについて

結論を言いますと、私は2種類のコーティング液を使い分けています。
理由は、仕上げたい形に合ったものが違うから、です。
難しいポイントなのですが、コーティング剤はただ塗布すればいい、というものではありません。
ここではなぜ使い分けをしているかについてお話していきます。

 

レジンと同じくコーティング剤にも各商品ごとに「粘度」の差があります。

「作家のためのレジン」といば、いわゆる低粘度のサラサラタイプが特徴ですが、
「作家のためのコーティング液」は粘度がやや高く、とろりとしたタイプです。

使用感は「サラサラよりも少し粘度を高く感じる」です。

この「少し粘度がある」点を正しく把握しておかないと、自分の仕上げたい形に仕上がらない事態に繋がります。

 

例として、鉱石パーツを仕上げることを想定してみます。
特性がわかりやすいよう、あえて小さめの鉱石パーツを使用しています。

まず、粘度があるコーティング液をそのまま塗布してみます。



石らしいカクカクがぼやけた、鉱石パーツに仕上がった様子がわかるかと思います。

粘度が高いがゆえに、刷毛に液がたっぷりつきます。
たっぷりついた液をそのまま塗布すると、特に今回のような小さめのパーツには厚くなりがち。
コーティング液を厚めに塗りすぎると、写真のような鉱石タイプのフォルムや角ばったものなどは、少しもったりしてしまいます。

 

この場合は薄く塗ったほうが良さそうです。

 

写真はコーティングボトルの口でブラシをしごいて、薄く薄く塗る事を想定して筆を一度なぞらせた時です。(未硬化ですぐ撮影)
作家のためのレジンコーティング液で薄く塗ろうとすると、刷毛の跡が残りやすくなります。

このままほんの数秒待つと、なじんでブラシ跡が消えていきます。
下写真の目印部分をご覧ください。

 

以上の特徴から、「作家のためのレジンコーティング液」で、薄くコーティングしたほうがいい鉱石パーツを塗る場合、
塗り方としては次の2パターンです。

■一度に塗りきらず、【薄く塗る→ブラシ跡が和らぐ】を繰り返す方法。
(未硬化のまま繰り返します。硬化を何度も重ねるとぽってりします。)

■最初にブラシ跡が出ないように【普通に塗る→ブラシをしごいて、そのブラシで余分なコーティング剤を拭う】方法。


粘度の高さが何に影響していくのか、知っていただけたのではないでしょうか。
なお、フラットで面の大きいパーツに塗る場合は液を広げていけるので上記はあまり気にしなくて大丈夫かなと思います。

つまり、

・コーティング剤の癖を見つけて使用すること、
・モチーフやパーツに合ったコーティング剤を使い分けること
が作品を作る上で大切です。
 

この2点がコーティング液を選ぶポイントです。

私はずっと2種類のコーティング剤を使用しています。


ひとつは今回ご紹介の作家のためのレジンコーティング剤。

 

この2本を比較しながら、下記2つのモチーフを作りつつそれぞれの向き不向きをご紹介させていただきます。

比較に使用したモールドは2種類です。
特徴がわかりやすい形を選びました。

まずはフラットなもの。

 

凹凸の多いリボンのシリコンモールド。

 

 

5.作家のためのレジンコーティング液とResinLabコーティング液の比較

ここでは、「作家のためのレジン コーティング液」と「清原ResinLab コーティング液」を比べてみて、それぞれの使い分けのメリットやデメリットを挙げます。

 

使い分け以前に、そもそもこの2本を選んだ前提として、共通のメリットが2点。
・臭いがほとんどない
・硬化に時間がかからない
この2点があります。

この2本に出会う前は別のコーティング液を使っていましたが、塗り~硬化後もしばらくマニキュアのようなツンとした匂いが消えず、作品の仕上がり後、さらに匂いを消すため数日放置しておかなければいけませんでした。

自分の作品をオンラインで販売した際、小箱などに梱包し発送することになります。
お客様が受け取り、小箱を開けた時に密封され匂いが強くなってしまうことを考えると、コーティング液の機能以上に匂いは気になる要因かと思います。

まずそこをクリア出来ているかが、販売作品に対し使用できるかのポイントかと思います。

そして硬化時間については、作業効率を考慮するとやはりすぐに硬化してくれるのは大きなポイントでしょう。


それではメリットデメリットについて進んでいきます。
比較のためチャートを作成したので、以下、チャートに沿って思った事を書いていきます。

作家のためのレジンコーティング液は以下「作家のためのレジン」、清原ResinLab コーティング液は「ResinLab」 と略します。

▪️【透明度・つや】について

こちらはさすが「作家のためのレジン コーティング液」、「ResinLab  コーティング液」ともに最高だと思います。
前述で少し触れた通りそれぞれテクスチャが違うので、ある程度はテクスチャごとの特性に対する「慣れ」が必要になりますが、透明度およびつや部分の仕上がりに差はなく、非常に綺麗に完成します。

 

▪️【粘度】について

ここが1番差が出るところでした。
そして差があるからこそ、私はこの2本が常に必要ですし、場面に応じ臨機応変に使っています。

「作家のためのレジンコーティング液」は少しとろみがあります。
硬いとか塗りにくいほどの粘度ではありません。サラサラ寄りのとろとろです。
一方で「ResinLab コーティング液」は水を思わせるサラサラテクスチャです。

導入部分で「ボトルの口でしごいてコーティング剤の調整を」と書きました。
これは粘度がある程度あるからこそできることです。
「作家のためのレジンコーティング液」はしごいての調整が可能ですが、「ResinLab コーティング液」はボトルの口での調整はあまり機能しません。そもそもブラシにたっぷりついて塗りすぎるという感じにはなりません。

 

▪️【補修】について

補修には2パターンあるかと思います。
1)表面の傷や曇り。(研磨後も含む)
2)モチーフの欠け。(凹凸の多いモールドや細かいモールドの角に気泡などが残り、硬化して取り出した際その部分だけ欠けてしまう。)

1)については両者ほとんど差異がありません。どちらも傷や曇りは補修されます。
ただし、一度の塗りでも厚みには差が出るように思います。
(これも片方だけの目視ではあまり気にならないと思います。並べてみて、よくよく見ればという程度です。)


2)については「作家のためのレジン コーティング液」が活躍します。
刷毛にたっぷりコーティング剤を付けて、埋めるようにちょんちょんとすると、補修が完了しました。おそらくこれが、作家のためのレジンコーティング剤の最大のメリットだと思います。

同じようにResinLabさんのコーティング剤、またコーティング剤ではなく、低粘度(さらさら)の作家のためのレジンでも試しましたが、1番仕上がりが綺麗なのは作家のためのレジンコーティング剤でした。


以上を踏まえて、凹凸の多いモチーフの場合、「ResinLab コーティング液」のほうが相性がいいでしょう。
水っぽい液体のため、元々のモチーフの溝に余分なレジンが入らず、かつコーティングを薄く施せるので元の形を保ったまま仕上げる事が出来ます。

気泡などによるモチーフの欠けの補修については「作家のためのレジン コーティング液」のほうが傷を埋めやすいでしょう。

動画にもまとめていますので、ご覧ください。

 

▪️【伸び】について

【粘度】とも相関がありますが、「作家のためのレジン コーティング液」がとろとろ、「ResinLab コーティング液」がサラサラなので伸びやすいのは「ResinLab コーティング液」でした。

今回は2本を比べる前提で書いているので「作家のためのレジン コーティング液」チャート図では◎ではなく〇としましたが、その他コーティング液と比べると伸びそのものは使いやすい伸び方です。

 

余談として、コーティング液の中には弾くようなものがあり、サラサラだけど表面に乗り切らず、重ねるうちにこぼれるものがあります。個人的にはこの「弾く」が匂いよりも天敵です。

今回の2つのコーティング液は弾くという事はなく、コーティングがフラットに仕上がるため、とても気に入っています。

 

 

最後の【向いているもの】についてです
動画もご参照ください。

それぞれのコーティング液の特性に向いていいるものは、

・「作家のためのレジン コーティング液」…大きい面や丸っこい面をつやつやにする場合。

・「ResinLab コーティング液」…細かい模様や平らのままにしておきたい場合。

です。

ただし、小さめのものに関しては水っぽいサラサラタイプの「ResinLab コーティング液」ですと、塗っている間にこぼれ落ちる可能性があるため、「作家のためのレジン コーティング液」のブラシをよくしごいて塗る方が失敗が少ないかもしれません。


【粘度】がいかに大きな差になるのか伝わりましたでしょうか。
粘度を見極め、自分の作りたい作品、自分の作り方の癖と相性のいいものを適宜選びましょう。

 

さて、コーティングの比較とは話がずれますが、ちょっとした実験をご紹介。
動画にもありますが、「サラサラタイプだから意外とコーティング液無しでもいけるのでは…?」と、
リボンモチーフに「作家のためのレジン」の「レジン液」(低粘度タイプ)を試しに仕上げに塗ってみました。
 

透明感はでましたが・・・やはりコーティング液よりもぽってりしました。
微妙な粘度の違いとブラシがポイントのようです。

Uneでは鉱物レジンアクセサリーを作っていますが、石の雰囲気から離れないよう、曇った部分とつやつやな部分を混在させるようにしています。
その時に活躍するのがブラシ。
作品の表情を見ながらコーティングする事が可能です。

(こちらの鉱物レジン、本物の石ころを原型に、Uneがオリジナルで制作しているシリコンモールド使用しました。そのため、石ころの凸凹やマットな質感は原型そのままです。上画像がマットのまま。このままでも鉱物らしさが際立っています。下画像はコーティング剤を使用してつや出しをしました。封入物がよく見えるようになり、少し華やかに変化するのでアクセサリーらしくなります。このあたりもお好みで使っていただけるかと思います。)

また、作家のためのレジンシリーズにはぷっくり盛りバージョンがあります。

 

余談となりますが、比較画像を貼っておきます。平らなものならば、作家のためのレジン液ぷっくりタイプもおすすめです。

(表面はフラットでつやつやなのですが、鏡面に仕上がりすぎて我が家の窓の模様が映ってしまいました。)

 

 

6.注意点

最後に、コーティング液使用のうえでの注意点についてです。
それは蓋の閉め忘れ。

今回の撮影は、午前中に行いました。
動画の明るさを保つためにカーテンを閉めずに作業していたら、あっという間にコーティング液が硬化し始めてしまいました。

表面は硬化していても、目視ではわかりません。
その状態のまま、ブラシでこすってしまうとグミのような細かい毛羽立ちが起こってしまいます。
厚みを出しても問題ない作品の場合は、上からコーティング液を重ねることで修正可能ですが、
薄く、フラットなままに仕上げたい場合はせっかくの作品もやり直しになってしまいます。

また、ボトルは遮光タイプの入れ物になっていますが、下記写真目印部分が透明です。

私はコーティング液を塗った後に、写真のような状態で閉め忘れて作業していたら、ボトルの口に透明のグミのような状態のものがつき、取り出すのに一苦労しました。

閉め忘れに注意です!

7.まとめ

 

作家のためのレジンコーティング剤の紹介マガジン、いかがでしたでしょうか?

最近はSNSでコーティング作業がバズったりして注目されている方も多いかと思います。(研磨して曇ったところから、コーティングする事で中のキラキラが見えるアレです!)

各社が様々な製品を出していますが、コーティング剤はレジン液よりも絶妙なバランスが必要ゆえ、相性がいいかどうかを試したいアイテムです。

色々試した結果、私はご紹介の2本に辿り着きました。広範囲守備のオーソドックスタイプ2種類です。

もっとぷっくりのものもあるかもしれませんが、作家のためのレジンコーティング剤よりぷっくり希望の場合は、ぷっくりタイプのレジン液を盛るともうそれで全て揃うのではないかなぁと思いました。

 

是非、自分なりに組み合わせて、肩の力を抜いてレジンを楽しみましょう。
キラキラコーティングが出来たら、是非 #croccha #作家のためのレジン をつけて投稿してみてください。

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