モールドの使い方にあっと驚く!リアルで繊細なレジンの蓮の花の作り方
池に浮かんだ大輪の花が美しい、蓮の季節がやってきます。水面に映るその姿も麗しく、日本の夏の風物詩のひとつですよね。そんな蓮の花をレジンで表現!100円ショップのモールドひとつでパーツ作りも組み立ても出来る、とても合理的なレシピをご紹介いたします。
ポイントはモールドの使用方法。窪みにレジン液を流し入れるのが通常のモールドの使い方ですが、ここではなんと裏側の形状を利用。よりリアルな蓮に近づけるためのあっと驚くモールドの使い方です。
底部分が平らに仕上がるので留め金具が接着しやすく、ピアスやブローチ、ヘアピンなど、さまざまなアクセサリーにアレンジできる蓮の花。基本の作り方を詳しくご説明いたします。
小さな動物、空、宇宙などをオリジナルの作り方でご紹介します(*´-`)
———————————————✂️
YouTube「まーうえのレジン工房」
目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
1.材料と道具
モールド 100均
レジン 「作家のためのレジン」
着色剤 白・ピンク
ED・UVライト
マスキングテープ
爪楊枝
調色スティック
調色パレット
エンボスヒーター
ピンバイス
メタルフラワー
Tピン
ピンセット
はさみ
名前ペン・マジック
2.作り方
使用するのは、ダイソーで購入できるこちらのモールド。雫型、大小の半球、薄く丸いコイン型のコンビネーションになっているモールドです。花びら作りには雫の形のモールドを使います。
着色用に調色パレットまたは適当なモールドを用意します。レジン液を入れる前にマスキングテープでほこりを取り除きます。
透明のレジン液を入れます。使用するのは「作家のためのレジン」です。サラサラタイプのレジン液なので、このレシピに向いています。
ピンクと白の着色剤でレジン液を着色します。お好みの色でOKです。
淡い色を作りたいので、ピンクの着色剤はごく少量しか使いません。直接レジン液に入れるのではなく、モールドのふちに出して調色スティックや爪楊枝などの先に少し取って様子を見ながら混ぜ入れると良いでしょう。
エンボスヒーターで温めて気泡を抜きます。
ある程度気泡が抜けたら、一旦冷まします。
マスキングテープに、ペンで作りたい花びらの大きさの雫を描きます。縦1cmくらいの雫を描きました。
ハサミで余分なところをカットします。
雫の形のモールドの内側に貼ります。
裏から見ると、描いた雫のラインがうっすらと透ける状態です。
この透けるラインをガイド線にして、モールドの外側に着色したレジンを塗って花びらを作ります。
マスキングテープに描いた雫と同じ形にレジンを塗ったら60秒硬化し、モールドから剥がします。
花びらっぽくカップ型に少し丸まった形になりました。
いつものようにモールドの内側にレジンを流し入れるのではなく外側に塗っているのには、理由があります。
外側に塗って作った花びらは、モールドの丸みを覆うような形になるためカップ型に丸まります。言ってみれば、ごく浅いお椀のような感じですね。
通常通りにモールドの内側にレジン液を流し入れて作った花びらは、外側は丸くなるものの内側にも液が溜まるためカップ型にはなりません。浅いお椀に喩えれば、中が埋まっている状態ということです。表面張力も手伝い、ぷっくりとした花びらになってしまいます。
それはそれでもちろん可愛いので他の用途に使えますが、蓮の花には薄くてくるっと丸まった花びらが合っているのでモールドの内側ではなく外側を使用しています。
蓮の花作りに戻りましょう。同じ大きさと形の花びらを13枚作ります。作業しやすいよう、マスキングテープなどに並べて貼り付けます。
モールドに触れていた花びらの内側になる部分をコーティングします。調色スティックや爪楊枝の先に最初に着色したレジン液を少量取って塗ります。たくさん塗るとぷっくりしてしまいますので、できるだけ薄く塗るように気を付けます。きれいに塗ったら60秒硬化します。
残りの花びらにも同じように内側を薄くコーティングして硬化します。
13枚の花びらをコーティングしました。
花びら作りに使ったモールドの半球を用いて蓮の花の形に組み立てます。
3枚の花びらをマスキングテープから剥がし、モールドのふちに乗せます。花びらの尖った先を上(外側)に向けて小さな半球の底に並べます。
3枚の花びらの中心部分に透明のレジンごく少量垂らします。ボトルから直接垂らそうとすると、入れ過ぎになる可能性があります。別の容器に出したレジンを爪楊枝などの先で少しだけ取って付ければ失敗が防げます。
少量のレジンを花びらの中心に垂らしたら、60秒硬化します。
3枚の花びらを立てた状態で硬化し、お花のパーツになりました。
次は花びらを5枚剥がし、尖った先を上(外側)に向けて大きい半球の底に並べます。
お花の形に並べたら…
隣同士の花びらが接している部分にそれぞれ少量の透明レジンを垂らし(合計5ヶ所)、60秒硬化して繋ぎます。
花びらが繋がっていることを確認したらモールドから取り出し、隣の薄いコイン型に移します。先に作っておいた花びら3枚のパーツをバランスよく置き、位置を決めます。
5枚の花びらの中央に透明のレジンを垂らします。それぞれの花びらの根元にも少しだけつけます。
花びら3枚のパーツを乗せ、真ん中に来るように調整します。位置を確定したら、60秒硬化します。
しっかり硬化して2つのパーツが接着できていることを確認します。
残りの花びら5枚をコイン型の丸く薄いモールドに並べます。隣同士の花びらが接している部分にそれぞれ少量のレジン液を垂らし、60秒硬化して接続します。
花びら同士がしっかり繋がってパーツが出来たら、続いては花びらの根元にだけレジンを塗ります。
先に作っておいたお花のパーツを上に乗せて60秒硬化します。
立体感が増し、蓮の花らしくなってきました。
裏側にレジンを塗って補強します。
真ん中にはたっぷりめにレジン塗って硬化し、しっかりと補強します。
お花の真ん中にめしべを付けて仕上げます。めしべに見立てるのは、7mmのメタルフラワー。Tピンも使います。
レジンで作った蓮の中央に少量の透明のレジンを乗せます。
レジンの上にメタルフラワーをバランスよく乗せ、位置を確定したら60秒硬化します。
しっかり硬化できていることを確認したら、Tピンを付けます。ここではよりリアルな蓮の花にしたいのでTピンを選んでいますが、パールなどを使ってデザイン性を持たせるのも良いでしょう。ピンバイスを用いてお花の中央に穴をあけます。
ここにTピンを刺して硬化させます。
長過ぎる場合は、ニッパーで少しカットします。
穴にレジンを少量塗り、Tピンを刺して60秒ほど硬化させれば完成です。
リアルで美しい蓮の花になりました。
こちらは花びらの枚数を増やしたバージョン。手間はかかりますが、より繊細な雰囲気に仕上がります。
3.まとめ
ひとつのモールドのすべての箇所を使って仕上げるレジンの蓮の花の作り方をご紹介いたしました。100円ショップの安価な道具を余すところなく利用したレシピです。モールドの使い方には驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
モールドはくぼみの中にレジン液を流し入れるのが通常の使用方法ですが、ここではよりリアルで美しく繊細な蓮の花に近づけるため外側の形状を利用しています。マスキングテープに花びらの形を描き、モールドの内側に貼り付けて透けて見えるラインをガイドに外側にレジン液を塗るのです。
通常の使い方をしてモールドの中にレジン液を流し入れて作った花びらには、液が溜まるので当然厚みがついてしまいます。それはそれでぷっくりと可愛らしく別の用途がありますが、蓮には薄く反り返ったような花びらが欲しいところ。
モールドの外側の丸みに沿って形を作って硬化させたレジンの花びらは、ややカップ型に仕上がります。喩えるなら、ごく浅いお椀のような形です。反り返るように丸みのついた薄手の花びらを立体的に整えて接着すれば、より本物に近い形の蓮の花になるわけです。
個々に作った花びらの組み立てにも、同じモールドを使いました。半球モールドの底の丸みを利用すれば、角度を付けて花びらを接着することができます。水面に触れる蓮の花の下の部分は平らにしたいので、半球ではなく浅い丸型のコインのような形のモールドを利用。ひとつのモールドのすべての窪みを使った達成感も味わえる、大変合理的なレシピです。
底の部分が本物の蓮のように平らになり、アクセサリーの留め金具が大変接着しやすくなっています。ピアスやブローチ、ヘアピンなど、お好みのアクセサリーに仕立てて楽しめます。
白の着色剤を多めに配合して淡く仕上げるもよし、カラーを増やして色鮮やかにするもよし。レジンの蓮の花作り、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
この記事で紹介したアイテム
-
作家のためのレジン 100g
¥2,200 ¥1,980 税込 -
エンボスヒーター 清原
¥3,850 ¥2,980 税込 -
調色スティック レジン道具 UVレジン PADICO
¥418 ¥380 税込 -
レジン用 着色剤 パジコ 宝石の雫 [ホワイト] 10ml
¥528 ¥480 税込 -
アクセサリー工具【8点セット】ジップポーチ付きツールセット
¥2,000 ¥1,800 税込 -
【3個入り】調色パレット 着色 カップ シリコンタイプ
¥400 ¥270 税込 -
レジン用着色剤 宝石の雫 ピンク
¥528 ¥480 税込
レジンの関連する記事
-
本物の桜をまるごと閉じ込めたレジンキーホルダーの作り方
春の象徴である桜。今年も開花が楽しみですね。今回は季節問わず人気のある桜のプリザードフラワーをまるごと閉じ込めたレジンキーホルダーを作ってみました。 国産で最高級の桜の花びらを立体型でしっかり残している特別品を使用しています。そんな桜の花びらをレジンの世界に閉じ込めた春らしい雰囲気の漂うキーホルダー。デザインシールやクラッシュシェル、金箔などの封入物を組み合わせてアレンジを加えたレシピです。 詳しい作り方はもちろん、傷のつきやすい桜のプリザーブドフラワーの取り扱い方や綺麗に仕上げるポイントも合わせてご説明いたします。
-
春にぴったり!ミモザツリーを閉じ込めたレジンパーツの作り方
2024年2月26日から3月25日の間にお届けする「作家のためのレジン」定期便のパッケージは、春らしさ全開のミモザと蝶々のデザインです。毎月のお楽しみであるオマケは、四角形とドロップシェイプのシリコンモールド、ミモザのドライフラワー、そしてグリーンのホログラムです。 そろそろ春の気配を感じる3月がやってきます。ひと足お先にミモザで季節を先取りしましょう!オマケのドライフラワーで作ったミモザツリーをレジンパーツに閉じ込めるレシピです。春にぴったりのアクセサリーパーツを作ってみましょう。 材料や作り方はもちろん、気泡が出やすいミモザをきれいに封入するテクニックも合わせてご説明いたします。
-
バレンタインにぴったり!レジンで作るチェック柄のチョコヘアアクセサリー
2024年1月26日から2月25日の間にお届けする「作家のためのレジン」定期便のパッケージは、この時期にぴったりなバレンタインチョコのデザインです。毎月のお楽しみであるオマケは、ハートのシリコンモールド、ハートのメタルパーツ、ピンクのホログラムです。 2月といえばバレンタインデー!どなたもが描くイメージは「チョコレートを贈るイベント」でしょう。2月14日のバレンタインデーに恋人や友人へ贈る物の主役がチョコレートとなるのは日本ならではの文化のようです。海外ではチョコレートに限らずカードや花束、お菓子などを恋人や家族に贈るのだそうですよ。 今回はそんなバレンタインデーにちなんだチェック柄のハートや星のチョコレートヘアアクセサリーを作ってみました。ビターチョコ、いちごチョコ、ホワイトチョコをイメージして着色したレジンはなんとも美味しそう。ゴールドのラインシールでチェック柄を作り、メタルパーツでデコレーションするとまるで本当にチョコ作りをしているかのようです。 複雑な工程もなく、オマケのモールドを使用するのでレジン初心者さんでも挑戦しやすいレシピです。本物のチョコレートのような色合いを作るための着色剤の配合やチェック柄をうまく作るポイントなどを含め、詳しい手順をご説明いたします。
-
雪のような淡いカラーで冬らしさ満点!動物チェーンキーホルダーの作り方
2023年12月26日から1月25日の間にお届けする「作家のためのレジン」定期便のパッケージは、冬らしさを感じさせるスノーマンと雪の結晶のデザインです。毎月のお楽しみであるオマケは、動物のシリコンモールド、さざれ石、そしてチェーンホルダーです。 日本では1月に入ると1年で最も寒い時期が到来すると言われており、雪が降る地域も多くあります。ストーブの燃える匂い、外へ出た時の白い息、そして寒くてなかなか布団から出られない朝。どれも冬を感じる瞬間ですよね。 今回は冬の風物詩を代表する雪をイメージし、淡いカラーが素敵な動物モチーフのキーホルダーを作ってみました。 儚げな色合いで着色した動物たちは、まさに雪のような柔らかい印象に。複雑な工程もなく、専用のモールドを使用するのでレジン初心者さんでも挑戦しやすいレシピです。 英字ネイルシールの付け方やツヤツヤに仕上げる方法などを詳しくご説明いたします。ふんわりカラーの動物たちに癒されることまちがいなし!動物モチーフのキーホルダーのレシピです。
-
レジン作品にコーティングは必要?不要?コーティング液は作品の質感を変える魔法!鉱石作家が徹底レビュー
「レジン」を始めようと思うとまず揃えるものはメインのレジン液。 そしてUV/LEDライトとシリコンモールドでしょう。 では、少し検索すればヒットする「レジンコーティング液」は? 「コーティング液って、必要なの?」レジンを始めたばかりの方は戸惑うかと思います。 そもそもレジンそのものが透明で艶があるため、 ”仕上げ”のコーティング液はどちらかといえば「副資材」のニュアンスが強いのですが、 【美しいレジン作品に仕上げる】ためには必須アイテムだと思います。 なぜならコーティングで作品の質感が劇的に変化するからです。 ただし使いどころを誤ると、思った仕上がりにならないという事態にも陥る側面もあります。 そこで本記事では、croccha公認クリエイターでもあるレジンクリエイター Uneが、 「作家のためのレジン コーティング液」について他社商品と比べて特徴を徹底レビュー。 私自身の使い分け方も踏まえ、美しい作品仕上げとコーティングについてまとめました。 使用感など動画を含めて読者さんと共有できることを目指しました。 コーティング剤を使用する意外なメリットや、そもそもコーティング剤は必要かどうかなども、検証していきたいと思います。
-
傘の3Dモールドの使い方
できあがりのサンプル写真や商品画像を見て、「このシリコンモールド、可愛い!」と飛びついてしまったことはないでしょうか。そしていざ購入してみたものの扱い方が分からず、形にならないまま放置、なんてことも… 今回ご紹介する傘の3Dモールドは、そんなアイテムの代表かもしれません。多くのみなさまに購入いただいている、クロッチャショップの人気商品でもある立体の傘が作れるシリコンモールド。「扱い方が分からない」とお問合せをいただくことも少なくありません。 そこで今回は使い方を2パターン、それぞれ動画とマガジンで説明してみました。動画とマガジンでは作り方が異なりますので、ご覧になってみてお好きな方法を選ばれるとよいでしょう。 人気アイテム、3Dの傘のシリコンモールドを使った基本のチャームの作り方です。